仕事にも日常にも必要なスキル「コミュニケーション能力」を鍛えるには?

仕事を円滑に進めていくために、最も必要なスキルは何でしょうか?

日本経済団体連合会(経団連)が2018年に行った「新卒採用に関するアンケート調査結果」によると、新卒採用時の選考で重視するポイントとして、「コミュニケーション能力」が16年連続で第1位となっています。

またコミュニケーション能力は、採用時だけに限らず、仕事を続ける上では常に必要なスキルとなります。人と接することいわば対人関係なく、ビジネスは成り立たないからです。

今回は、コミュニケーション能力を鍛えるためには何をすればよいか、コミュニケーション能力を鍛えると仕事にどう役立つのかなど、一緒に考えていきましょう。

コミュニケーション能力とは?

コミュニケーション能力とは、他人との人間関係を良好に築くために必要不可欠なものです。そのため、仕事においても、仕事以外の家庭や社会生活においても、欠かせない能力の一つと言えるのです。

では、コミュニケーション能力が高い人は、どんな特徴があるのでしょうか?コミュニケーション能力が高い人と話をすると、妙に会話が弾んだり、それだけで楽しくなったりした経験はありませんか?

コミュニケーション能力が高い人の特徴には、

・相手に興味・関心を強く持っている
・相手の話をよく聴く
・相手の気持ちを汲み取り、否定しない(協調性がある)
・話題をたくさん持っている
・とてもポジティブで笑顔が絶えない
・話がわかりやすい

などが挙げられます。

コミュニケーション能力が高い人は、自分の言いたいことだけを話すのではなく、相手の話に興味がある姿勢を見せつつ、相手の言いたいことや考えの論点をうまく引き出し、理解することができます。つまり「傾聴」が上手にできる人です。

そして、相手の言うことを聞きつつも、相手を否定せずに自分の言いたいこともきちんと伝えることができます。つまり「双方向コミュニケーション」ができる人ということです。

コミュニケーション能力の要素とは?

コミュニケーション能力の基本的な要素は、①受け取る(聴く)能力、②伝える(話す)能力の2つから構成されています。

①受け取る(聴く)能力

受け取ることの最終ゴールは、相手と信頼関係を築くことです。

ただ相手の話すことを黙って聞くのではなく、相槌や時には質問などを交えながら、相手の伝える内容を理解すること(質問スキル)が大切です。受け取る能力は、聴きながら相手の言いたいことを汲み取ることが必要となります。

この能力は、傾聴、質問スキルなどの他に、バックトラッキング(相手の言葉を繰り返して確認する方法)スキルやキャリブレーション(相手の気持ちに気づく能力)を身につけると、格段に能力がアップします。

②伝える(話す)能力

伝えることの最終ゴールは、相手に内容を理解してもらうことです。

相手が理解できるように、「何をわかってほしいのか」「何を伝えたいのか」をあらかじめ明確にしてから伝えることが大切です。

相手に合わせた例えや具体的な数値などを盛り込むことができると、伝わりやすさはさらに向上するでしょう。また、言葉だけでなく、声の抑揚、ジェスチャーや表情などの非言語も伝えるために非常に大きな要素となります。

この能力は細かく分類すると、話し方、プレゼンテーション、アサーションなどのスキルがあり、全てマスターすれば格段に能力がアップします。

コミュニケーション能力を鍛えるには?

2つの能力を鍛えるにはどうすればよいでしょうか?まずはとにかく、実践することが重要です。基本さえマスターすれば、あとは日々のビジネスや日常生活の中で、常に能力を高めることを意識してコミュニケーションしていくことが大切です。

①受け取る(聴く)能力を鍛えるには

まずは相手へ関心を持って、耳を傾けるように聴く(傾聴)ようにしましょう。そして会話中は、常に笑顔を絶やさず、目をそらさないなど、「私はあなたの話に興味がありますよ。」という態度を示すようにしましょう。

相手の立場に立って考えてみるくせをつけましょう。そうすることで、聴き上手になることができます。相手のことを否定したり、話の途中で遮ったりせず、相手の言うことを受け入れ、共感するように意識しましょう。

相手の話にタイミングよくうなずいたり、相槌を打つことを意識すると、相手も話を聴いてもらえていることがわかり、この人とは話しやすいと感じてもらえるでしょう。

②伝える(話す)能力を鍛えるには

わかりやすく伝えることを心がけるようにしましょう。普段からわかりやすく言い換える癖をつけておくとよいでしょう。

話す内容を整理して話すようにしましょう。フレームワークを活用するとうまく話すことができます。「PREP法」は、プレゼンやビジネス文書にもよく使われます。以下の順番で説明すると、わかりやすく言いたいことが伝えられるでしょう。

Point:結論・要点を伝える

Reason:理由を伝える

Example:事例・具体例を伝える

Point:改めて結論・要点を伝える

この方法で文章を伝えると、こうなります。

P:今回プロジェクトのリーダーに選ばれたのは、Bさんではなく、Aさんです。

R:なぜならAさんは、Bさんより経験は浅いですが、チームメンバーをうまくまとめることが上手だからです。

E:例えば、先日のディスカッションの際、Bさんは強引に結論づけようとしましたが、Aさんはそれから全員の意見を確認し、反対意見もうまく調整して全員が納得して合意することができました。このような事例はこれまでも何度か見られました。

P:したがって、Aさんがリーダーとして適任だと判断しました。

このように、伝えたいことをうまく組み立てられないうちは、この方法を利用するとうまく構成できるようになるでしょう。

また、普段から様々な情報を取り入れて、多くの話題を持っていることも大切です。雑談は、ビジネスや日常生活のコミュニケーションの中で非常に有用です。雑談が自然にできるようになると、打ち合わせの間や休憩中などのふとした時間にも、他の話題で人の興味を引くことができたり、雑談がきっかけとなり、初対面の人とも急に仲良くなれたりします。あなたも情報量を増やし、雑談力を磨けば、コミュニケーション能力はさらに高くなるでしょう。

話題に困った際は、相手との共通点を見つけることができると話を広げることができます。同じ出身地や趣味、興味のある話題など、相手との共通点を見つけましょう。その意味でも、普段から様々な情報を収集しておくと、様々なコミュニケーションに利用できることでしょう。

まとめ

近年、SNSやインターネットの発達に伴い、対面でのコミュニケーションが希薄になってきています。実際に、最近の若手社員は電話での対話やEメールでさえも苦手で、上司への連絡もLINEなどのSNSで済ますことも珍しい話ではありません。

今後は、コロナ禍で進んだテレワークをはじめ、ますます直接対面でのコミュニケーションの機会は減少傾向になっていくことが予想されます。

しかしながら、そういう時代だからこそ直接のコミュニケーションはより重要になってきます。人と人とのつながり、直接コミュニケーションの温かみは、これからの時代に欠かせないものになるでしょう。

コミュニケーション能力が向上すると、より良い人間関係を築くことができます。より良い人間関係の中で仕事ができれば、セールストークが向上したり、プレゼンがうまくいったりすることで、仕事が成功するでしょう。

あなたもコミュニケーション能力を身につけ、ビジネスや普段の生活をより快適なものにしていきましょう。

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