傾聴スキル「リフレイン(オウム返し)」を使って子どもの気持ちをしっかり聴こう!

コーチングで最も大切にされている『傾聴』のスキル「リフレイン」。

いわゆる「オウム返し」と言われるものですが、子育てにおいてもこれが非常に役に立ちます。

今回は、子どもとのコミュニケーションに悩んでいるママやパパにぜひ知っていただき、

特に「ここぞ!」という時、子どもの話をしっかり聴きたい時などに上手に使って欲しいと思います。

事例を含めて紹介するので、参考にしてくださいね。

「リフレイン」とは

文字通り、子どもが言った言葉をそのまま繰り返します。

その時、2通りのリフレインの方法があります。

① 相手の言葉をそのまま繰り返す

相手が言った言葉のうち、感情以外の言葉をそのまま繰り返します。

例えば、

ケースA

母 「今日、たくみはなんか元気ないのね。」
たくみ「僕、今日ひろくんと喧嘩しちゃったんだ。」
母 「そうなの?ひろくんと喧嘩しちゃったの?」
たくみ「そうなんだ。そのまま喧嘩別れになっちゃって。」
母 「そうなの。喧嘩別れしたんだ。だから元気がないんだね。」

ケースB

るみ「ママ〜!聞いてー!」
母 「るみちゃん、どうしたの?」
るみ「あのね、今日テストで100点取ったのよ。」
母 「すごいじゃない!テストで100点取ったんだ!」
るみ「そうなの。こないだ塾で習ったのがそのまま出たんだよ!」
母 「塾で習ったことがそのまま出たの?」
るみ「そうなの!やっぱり塾に行きだしてよかった。」

こんな風に、感情以外の言葉をそのまま繰り返します。

ただ同じ言葉を繰り返すだけなんですが、

子どもは話を聞いてもらっているという安心感が持て、どんどん話をしてくれます。

② 相手の気持ちや感情をそのまま繰り返す

①に加えて、さらに相手の気持ちや感情をそのまま繰り返します。

ケースC

だいき「明日の運動会、もう走りたくない。」
パパ 「だいき・・・。どうしたんだい。もう走りたくない?」
だいき「そう。走りたくない・・・。」
パパ 「走りたくないのか。」
だいき「うん。だって・・・。」
パパ 「だって?」
だいき「だって、今までランニングの練習の時いつも1番だったのに、先生が急に組み合わせ変えるんだもん。」
パパ 「先生が急に組合せを変えたんだね。」
だいき「そうなんだ!だから、はやと達と一緒だから3番になっちゃう。」
パパ 「はやとくん達と一緒なら3番になっちゃうんだ。」
だいき「そうなんだ。3番なんて悔しい!」
パパ 「だいきは3番になって悔しいんだね。」
だいき「そうなんだよ。3番になってとっても悔しいんだ。」
パパ 「3番は悔しいんだ。」
だいき「そうだよ。1番になりたかったのに。」
パパ 「だいきは1番になりたかったんだね。」
だいき「そうだよ。パパ達に1番になるところを見せたかったのに。」
パパ 「だいきはパパ達に1番になるところを見せたかったんだね。パパは頑張るだいきの姿を見れるのが一番嬉しいよ。」
だいき「3番になっても?」
パパ 「1番だろうが3番だろうが、だいきが一生懸命走ったならそれで十分だよ。」
だいき「そうか。それなら、明日一生懸命走るよ。何番になってもパパ達にかっこいいところ見せるね!」

こんな風に、①と②のリフレインのスキルを使うと

子どもが段々と素直になり、自分の気持ちを少しずつ話してくれます。

どんどん繰り返していくことで、心の奥に隠れていた本当の気持ちを話してくれます。

そうなると、私たち親も素直な気持ちを子どもに返すことができ、

子どもと言葉のキャッチボールが上手にでき、よい親子コミュニケーションができますね。

その他のスキル

その他にも子どもの話を聴く際のスキルとして、

①あいづちやうなずき、②目を見て話を聴く、③じっと待つなどがあります。

あいづちやうなずき

あいづちやうなずきも「リフレイン」と同じく、

『あなたの話をちゃんと聴いているよ』というメッセージを送るものです。

また、あいづちやうなずきが話の合間に入ることで

相手がどんどん話をしやすくなります。

あいづちやうなずきがあるだけで、どんどん話す側も話し方に熱が入り

あいづちやうなずきがない場合に比べて話の内容がとても濃くなります。

目を見て話を聴く

相手の目を見て話を聴くことは、子どもにもいつも言い聞かせていることではないでしょうか?

言い聞かせておいて、実際に親であるあなたはそれができていますか?

スマホや他のことに気を取られていて、上の空で子どもの話を聞いたりしていませんか?

家事や他の仕事をしながら聞いていても、話をする子どもにとっては

パパやママは自分とちゃんと向き合ってくれていないという印象を受けるでしょう。

何かをする手をとめて、きちんと子どもと向き合って話を聴きましょう。

じっと待つ

話を聴く間に子どもが考えていると、つい言葉を挟んだりしていませんか?

あるいは、子どもより先に答えを言ったりしていませんか?

子どもが考えている時は、むやみに言葉を挟んだりせず

子どもが答えを出したり、言葉を発するのをじっくりと待つようにしましょう。

その際に「パパ(ママ)は待ってるから、ゆっくり考えていいよ。」と言ってあげましょう。

子どもは安心して、考えて言葉を発するはずです。

パパやママに余裕がないこともあるでしょうが

子どもときちんと向き合って話をしたい時ほど、じっくり待ってあげてください。

おわりに

子どもは親が思っているより、親のことをよく見ています。

忙しい日々の中で、ゆっくりと子どもと話をする時間は少ないと思いますが

たったの5分や10分程度でもよいので

できるだけ毎日子どもと対話する時間を取るようにしましょう。

親の余裕がなければ、子どもの心に寄り添うことはできません。

自分の気持ちを落ち着け余裕をもった状態で

子どもの心に寄り添って話を聴いてあげてください。

少しの時間でも親との時間を持てている子どもは

自分が愛されていることを知っているので

精神的にとても安定した子どもでいられると思います。

また、子どもとの接点を多く持つほど、子どもの些細な変化にも気づきやすくなります。

子どもからの小さなサインを見逃さないためにも

日々の子どもとの時間を大切に過ごしていきましょうね。

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