【体験談】子どもの吃音(どもり)は治る?2歳で吃音症になった次男の話
次男が2歳の頃の話です。
急に「あーーのね…」とか「マーーマ、あのあの…。」と吃音(どもり)が始まりました。
なんの前触れもなく、突然にでした。
最初は、何かの言い間違えかと思っていました。
また最初のうちは、吃音の対処の仕方など何もわからず、
つい「ちゃんとしゃべりなさい!」とか「ゆっくり!」とか
言ってしまっていたこともありました。
そのまま症状は全く改善せず、私も思い悩むようになってしまいました。
今日は、そんなお子さんのどもりが気になる方へ、私の体験談も含め、
家族や周りの対応の仕方についてご紹介します。
Contents
吃音(どもり)とは
吃音(どもり)とは、話し言葉が滑らかに出ない発話障害のひとつです。
発話の流暢性(なめらかさ、リズミカルな流れ)を乱す話し方を吃音と定義しています。
特徴的な吃音の話し方には、大きく3つがあります。
①「わ、わ、わたし」「そ、そ、それで」最初の言葉が出ずに、同じ音を繰り返す。
②「わーーたし」「そーーれで」最初は出るけど途中を引き伸ばす。
③「…わたし」「…そっ…れで」言葉を出せないし、間があいてしまう。
吃音の原因とは?
古くは、親の育て方やかかわり方が原因だと言われた時期もあり、
私も自分の次男への接し方が悪かったのかと思い悩んだ日々もありました。
現在では、幼児の吃音については、体質的要因(吃音になりやすい子どもの体質的な特徴)、
発達的要因(身体・認知・言語・情緒が爆発的に発達する時期の影響)
そして環境要因(周囲の人との関係や生活上のできごと)がお互いに影響し合って発症すると
考えられており、未だ明確にはわかっておりません。
研究の中には、体質的要因が8割程度という報告もあるようです。
子どもの吃音は、幼児期(2~5歳)に発症する場合が
ほとんど(小学校以降に発症することもあり)で、
発症率は幼児期で8%前後です。
うまく話せる時期と話せない時期があり、波があることも特徴です。
そのうち、7~8割くらいが自然に治ると言われています。
(出典;国立障がい者リハビリテーションセンター研究所)
吃音の子どもとの接し方
吃音症状のある子どもの多くは、話したいことが頭の中にたくさんあるけれど、
うまく言葉に表現できていない状況だと言えます。
本人が吃音に気づいていない場合や、気づいていてもあまり気にしていない場合はよいのですが、
年齢が上がるにつれて、本人が気にし始めたり、
周りからの反応を気にし始めたりすることもあるため、
できるだけ早い段階で自然と治る方向に進むように、環境を整えてあげることが重要です。
吃音症状のある子どもとの接し方は、
うまく子どもに合わせた次のような「特別な環境」をつくることを心がけましょう。
・子どもと話をする時に、大人側が「ゆっくり」「ゆったり」とした話し方をする。
・「ゆっくり」とか「落ち着いて」などの声掛けはできるだけしない。
・言い直しをさせたり、言葉の先取りを大人がしてしまうのはNG。
・子どもが話している時は、相づちやうなづきなどをして、最後までじっくり話を聞く。
・子どもが話し終わって一呼吸おいてから、子どもに話しかけるようにする。
・短い時間でよいので、毎日子どもとゆっくり関わる時間をつくる。
次男の場合は…
次男のケースでは、吃音が始まっても最初は自然と治るだろうと考えていて、
前述したような対応をずっと心掛けていました。
でも、年齢が3歳、4歳になっても治らず保育園を卒園し、
小学生になってもまだ続いていました。
吃音になりやすい体質なのかはわかりませんが、
次男は私の性格に似て、人前で話す時に少し緊張することがありました。
その際に、吃音がひどくなる傾向にあったようです。
1年生になり、本人も吃音に気づいて少し気にするようになっていましたが、
幸い経験豊富な先生が担任だったこともあり、
周りのお友達にもきちんと説明してくれ、
次男の話し方に対して、誰も笑ったり冷やかしたりということはありませんでした。
私も次男に対して「人前に出た時に緊張することはあるだろうけど、
それは何回も経験して慣れていくしかないよ」と説明していました。
1年生の途中までは本当にひどかったように思いましたが、
もともと明るい性格でもあり、次男も慣れるしかないことを理解したのか、
人前での発表も臆することなく行っていたようです。
それでもひどい時には、「随伴運動」という
うまく言葉が出ない時に手や足で拍子を取ろうとする動きをすることもありましたし、
授業参観の発表でもかなり言葉に詰まってしまい、見ていて本当にかわいそうでした。
そんな日々が続き、少しずつ少しずつ改善してきて、
1年生の3学期の終業式、全校の前で堂々と発表できたことを
担任の先生から聞き、涙がこぼれました。
きっと、先生の指導がきちんと行き届き、
次男のことをからかう友達もいなかったので
次男は、言葉に詰まっても人前で発表することを恐れずに発表ができ、
その繰り返しで、少しずつ改善したのではないでしょうか。
「周りの温かい見守り」と「本人の前向きな努力」で
吃音が克服できたのではないかと思っています。
まとめ
幼児期の吃音の7~8割は自然と治りますが、
小学生になっても、引き続き吃音症状のある子どもは、
専門家の指導や支援を受けた方が、
生活に支障なく過ごせるようになるようです。
現在では、小学校に設置されている「ことばの教室」での
教育相談を受けることができる場合もありますので、
小学校の特別支援教育コーディネーターの先生や
市区町村の教育委員会にたずねてみるとよいと思います。
また、「言語聴覚士」という言葉のリハビリの専門の先生の
指導やサポートを受けることができるところもあるようです。
市区町村の保健センターや各都道府県の言語聴覚士協会に問い合わせると、
幼児の吃音の治療をしている言語聴覚士のいる病院・施設・委員・地域の
リハビリテーションセンター・療育センター・発注支援センターなどを紹介してもらえます。
次男は今では全く吃音の気配もなく、なめらかに話すことができます。
親や周りとしては、あせらずゆったりとした気持ちで、
子どもを見守り、支えていくことが一番大切だと思います。
あとは、本人の「勇気」と「努力」かな?
親にも計り知れない、次男の「勇気」と「努力」に脱帽です!!